2020/12/16 10:05

拘ったのは太陽光の反射が織りなす美しさ。

ただ透明なウィンドブロッカーを作るのではなく、研ぎ澄まされた繊細な光の表現を持つ魂動デザインに相応しい美しさを備えたプロダクトにしたい。
自らがNDロードスターのオーナーでもある開発者は、そう考えました。
そうして作られた、当ショップの NDロードス ター/124スパイダー用 アクリルウィンドブロッカー の特長を紹介します。

特長1:厚さ5mmのハードコートアクリル板を採用
ガラスを凌ぐ透明度を誇る美しい透明素材であるアクリル板ですが、意外と硬度が低く大変傷が付きやすい素材でもあります。ボディの塗装面と同様、普通に拭き掃除しただけでも細かい拭き傷が付き、光の入射具合によってはとても目立つスジとなって見えてしまい、折角の美しさが台無しに...
そこで三菱ケミカル製 表面硬化板(鉛筆硬度6~7H) アクリライト™MR-200 を採用。表面に非常に硬いコーティング(一種のガラスコート)が施され、傷が付きにくくなっています。
またこのコート層は耐溶剤性にも優れていますので、通常アクリル板にはアルコールを付けては駄目とされていますが、ハードコート面はアルコールを使用してクリーニングして頂いても問題ありません。

特長2:端面を鏡面研磨仕上げ
このハードコートアクリル板をCNC切削にて外形カットした後、ガラスを凌ぐ透明度を誇るアクリルの美しさが一層際立つよう、カット面を手間の掛かる鏡面研磨で透明に仕上げてあります。
通常、こういったアクリル板のカット加工はレーザーカッターを使うのが楽なのですが、レーザーカットを使わなかったのは、加工機の性能にも依りますが切断面が僅かに波打つのと、熱で溶かして切断する関係で切断面に応力が残る為、後のお手入れ/クリーニングでアルコールを使用するとクラックが発生しやすくなるというデメリットがあるからです。

実際に現物を見てもらえたら良いのですが(写真だと実物の美しさが上手く表現できません)... 端面の鏡面研磨仕上げによりとても高級感のある外観になっています。そしておそらく最もその美しさを実感して頂けるのは、陽が射すオープンドライブ時にルームミラー越しに見た時。私自身、試作品を装着してドライブした時に、ルームミラー越しに時折視界に入るアクリル板のエッジの輝きを見て「これは!絶対に鏡面仕上げで行こう」と思った次第。

特長3:純正品+20mm高さUP
アクリル板のデザインは一見、純正のウィンドブロッカーを踏襲した形状ですが、以下に述べる理由により少し変えてあります。

純正形状からの違い その1:高さを20mm高くしてあります。
純正の形状は、ウィンドブロッカーの一番の目的である「風よけ性」(高い方が良い) と「後方視界」&「幌の開閉操作性」(低い方が良い) とのバランスを考えてデザインされていると思います。これを不透明な素材から透明なアクリルに変えることにより「後方視界」の制約から開放される訳ですから、「風よけ性」をより向上させる為に高さを上げることが可能になります。
ただ、あまり高くすると今度は幌を畳む操作がやりにくくなってしまいます。
その辺のトレードオフと見た目の形状のバランスを取って、「純正形状の上部ラインを+20mm上げる」ことにしました。

幌を畳む時はこんな感じ。(モデルは身長167cm)
当然、純正比で若干操作し難くはなります。が、許容できる範囲だと思います。

そして、高さを20mm上げたもうひとつの理由...

「ここにステッカーを貼ろう」という方、きっと多いですよね?
折角貼ったステッカーなのだから、ステッカー全体が綺麗に見えて欲しい。

さて、純正形状のボードに例えば "ROADSTER"  ロゴのステッカーを貼ったとします。
↓それを後続車(着座位置の低いスポーツカー目線)から見ると、こうなります。
畳んだ幌が意外と高い位置にある為に、ロゴの下の方が隠れてしまうのです。こういうの「ちょっと残念」という感じがしませんか?

↓これを20mm上げるとこうなります。
これでキレイに見えます。
「風よけ性」upだけでなく、後方からちゃんとステッカー全体が見えるスペースの確保も、20mm upした理由のひとつなのです。

純正形状からの違い その2:下部にイルミネーション光源設置用の隙間を設けてあります。
ここにLEDテープライトを仕込めばイルミネーション仕様にできます。
光源ユニットは試作はしているのですが、比較的自作しやすいアイテムでもあり、作ってもあまり売れないと思いますので、現在の所、商品化は未定ですが ...

↓加工例 :ROADSTERロゴは透明フロストのカッティングシートを貼り付け

特長4:高強度なオリジナルブラケット
純正と同じ差し込み構造で無加工で装着できるオリジナルブラケット。
外観面では、正直に申し上げて価格重視で妥協しております。コストを抑える為に安価なFDM式3Dプリントを採用。FDM特有の積層痕の為に表面の仕上がりは成形品/切削加工品には正直劣りますが、素材に耐衝撃性の高いポリカーボネートを採用することで強度を確保しています。アクリル板をクランプする部分の強度を重視して単なるボルト留めではなく、万力と同じ要領で2分割したクランプ部品の面同士でアクリル板をがっちりと挟み込む構造を採っています。

クランプ部を2分割としたのはクランプ強度確保の他にもう一つ狙いがありまして、クランプ部品を交換することにより、拡張性のある車載カメラマウントシステムの台座になったりします。(特注対応)
アクリル板を固定する六角ボルトがブラケット上部に "無骨" に露出しているのは、これの為でもあります。

当製品に限らずウィンドブロッカーのアクリル化は、実際に装着してみますと、運転中常にルームミラー越しに美しいアクリルが拝めるという、後方に装着する割にはドライバー自身の視界に入る機会の多いパーツで、想像以上に装着の満足感が高いモノです。
若干お値段は高いですが、全てのオーナーさんにお勧めしたいパーツです。